くらりがやってきた
東京創元社のマスコットキャラクター「くらり」がついに我が家に。くらりさん、いらっしゃいませ。どうぞお寛ぎください。
このくらりさん、すべすべしていて、触り心地がとても良い。足がぶらぶら動くところがかわいいし、きちんとお座りもできます。
ぬいぐるみ制作費の200万円がクラウドファンディングを介して一日で集まってしまったというから、人気のほどがうかがえます。
「くらり」ぬいぐるみ製作プロジェクト - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
Twitterではハッシュタグ「#くらりと一緒」で盛り上がれます。
クラウドファンディングに申し込んでくれた皆さんのもとに、どんどん「くらり」が届いているようニャ。おうちに来たくらりを撮ったら、ハッシュタグ「 #くらりと一緒 」をつけてつぶやいてくれるとうれしいニャー(くらり) #くらりCF #東京創元社 pic.twitter.com/gBRi4bOP3W
— 東京創元社 (@tokyosogensha) 2018年10月30日
すると気になるのは、22万円コースのメガくらり(80cm)です。出資した猛者の方の報告が待たれます。
「閻魔沙羅からの挑戦状」推理ノート(2019年2月18日追記)
講談社のメフィスト賞受賞作「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズから派生した企画として、公募型懸賞金付き推理小説「閻魔沙羅からの挑戦状」が公開されている。
【公式サイト】人気ミステリシリーズ「閻魔堂沙羅の推理奇譚」からあなたへの挑戦状!|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
【問題編】【ヒント編】閻魔沙羅からの挑戦状 犯人を当てれば現金5万円!/著:木元哉多|一般小説作品詳細|NOVEL DAYS
問題編となる小説の前半だけが公開されており、犯人の指摘は読者に課されている。推理のプロセスまで明示した上で犯人を特定した読者には賞金まで出るということだから、これは見過ごせない。ここでいう「推理のプロセス」には推理ドラマ「安楽椅子探偵」シリーズで言うところの「エレガントな回答」が求められていることは言うまでもないでしょう。
解決編を含む本編(シリーズ第4作)の発売は今冬とのことですが、懸賞金の回答期限は2018年10月31日となっています。回答回数は無制限、9月5日には追加のヒントもあるということなので、今後しばらくはこの話題で盛り上がることができそうです。
「名探偵予備軍」のみなさまのために、登場人物と、おおまかな出来事をまとめておきましょう。
登場人物
向井由芽 |
尼川中学2年2組。 |
堀之内亜美 |
同上。 |
栗竹七菜香 |
同上。 |
丸美麗奈 |
同上。美人。 |
徳永晃平 |
同上。イケメン。 |
江藤聖也 |
同上。ひきこもり。 |
江藤恒男 |
聖也の父。悪徳弁護士。暴力団と関係あり。有名人。 |
江藤未羽 |
聖也の母。元モデル。 |
駒野秀明 |
2年2組担任。数学担当。未羽と不倫。 |
向井鉄矢 |
由芽の父。売れない画家。 |
事件概要
推理ノート
- 由芽にナイフを突きつけた脅迫者と、その後由芽を撲殺した殺害犯という異なる2名の人物が事件に関与している。
- 尼川神社に由芽を呼び出したのは徳永なのだから、犯人(脅迫者あるいは殺害犯)は徳永なのか。
- 由芽はなぜ脅迫されたのか。また、脅迫者はだれか。
- 由芽はなぜ殺害されたのか。また、殺害犯はだれか。
その他、説明を要すること
- 亜美はなぜ不倫の証拠写真を七菜香からもらったのか。
- 亜美の数学のテストが100点だったのはなぜか。
- 七菜香が演劇のヒロインに当選したは偶然か。
- 由芽の父・鉄矢の絵が高値で売れたのはなぜか。購入した「高貴なご婦人」はだれか。
- 由芽に気づいた未羽が由芽をにらみつけた理由はなにか。
- 鉄矢の万引き現場を撮影したのはだれか。それを由芽の下駄箱に入れたのはだれか。そして、その理由はなにか。
- 徳永が尼川神社に呼び出す手紙を書いた事情はなにか。本当に徳永が書いたものなのか。
- 由芽はなぜ身に覚えのない脅迫を受けることになったか。また、なぜその直後に殺されなければならなかったのか。
monokuro'obakeの推理(2019年2月18日追記)
当キャンペーンは無事終了し、解決編を含む小説の完全版は『閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム (講談社タイガ)』として発売されています(2018年12月発売。電子あり)。残念ながら私の「推理」では当選には至りませんでしたが、読者を巻き込む推理ゲームの発展に大いに期待します。そのための人身御供として、キャンペーンサイトに投稿した私の「推理」を転載いたします。
由芽は何者かによって脅迫されたが、彼⼥にはその⼼当たりがないのだから、脅迫を受けるべき⼈物が別にいることになる。脅迫者の「⼩娘」発⾔に該当するのは七菜⾹、亜美、丸美の三名であるが、最近⽻振りのいい七菜⾹が疑わしい。彼⼥が不倫写真を材料に駒野と未⽻を強請っており、しかも⾃分の正体を隠しつつ友⼈にも恩恵があるような⾏動を取っていたと考えると、由芽の⾝近で起こった多くの出来事を説明できる。駒野と未⽻は要求された⾦額の⼤きい⼈物を強請りの当事者として認識するだろうから、由芽を脅迫する動機を持つことになる。ところで、脅迫者は由芽を呼び出すために徳永名義の⼿紙を利⽤した。これが容易に可能なのは未⽻ではなく、担任教師の駒野である。ゆえに、脅迫者は駒野である。⼀⽅、由芽を撲殺した犯⼈は凶器として⾃然⽯を⽤いた。事前に凶器が⽤意されていなかったことは犯⾏の⾮計画性を⽰すから、殺意は何らかの事情によってその場で⽣じたことになる。それに該当するのは駒野が由芽を脅迫したこと以外にないのだから、この出来事の意味を理解できる⼈物が犯⼈であり、本来脅迫を受けるべき⼈物でしかありえない。ゆえに、犯⼈は七菜⾹である。
もっと推理をしてみたいあなたへ
東京創元社のミステリ専門誌『ミステリーズ!』にて、2号にわたって「問題編」「解決編」が掲載される犯人当て小説が継続中です。市川憂人さん(vol. 91-92)、米澤穂信さん(vol. 92-93)、東川篤哉さん(vol. 93-94)といった面々による渾身の力作が掲載されているので、ぜひ挑戦してみてください。vol. 91-92の市川憂人さんは激烈プッシュしている新人の書き手なのですが、本企画の作品が初の短編作品でもあり、要注目です。
三大流星群
三大流星群
宇宙空間に漂う塵は地球の大気と衝突すると発光し、地上からは流れ星として観察することができます。彗星が通過した後には大量の塵がまき散らされることになるので、地球とこの領域が一致する期間内にはいつも以上に多くの流れ星が発生します。これがいわゆる流星群です。
流星群は64種類もあり*1、実質的に毎日いずれかの流星群の活動時期に重なっていることになりますが、その中でも特に多くの流れ星を見ることができる流星群があり、三大流星群として知られています。1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群です。
流星群はテレビの報道番組などで取り上げられることも多いのですが、大抵の報道では「いくつの流れ星が見れるのか」とか、「見ごろはいつか」といった出現ピークに関する情報しか提供しません。そのため、「流星群は出現ピークのときにしか見ることができない」という誤解を招きやすくなっています。実際にはピークの時間を過ぎても、あるいはその前後数日間に渡り多くの流星を見るチャンスがあります。では、具体的な流星の出現傾向はどういったものであるのでしょうか。以下では、有名な三大流星群に加えて、7月のみずがめ座デルタ南流星群*2の都合4種類の流星群の特徴を見ていきます。
流星の出現傾向
以下のグラフは、流星の数を日付ごとにプロットしたものです。横軸は日付(単位はday)となっていて、中央の0(day)がその流星群のピークの日です*3。縦軸はZHRという流星数の指標のひとつであり、ZHRが大きいほどたくさんの流星が流れることを意味します。グラフの元になっているデータは、アマチュアの天文学者のコミュニティとして設立されたIMO(国際流星機構)*4が公開しているデータベースから、過去10年間(2007年~2016年)の観測データをすべて集計したものです。
Quad: しぶんぎ座流星群(図左上)
その年初めにやってくる流星群はしぶんぎ座流星群です(1月1日~5日)。しぶんぎ座流星群(左上)はまるで針のように急峻な活動傾向です。ピークの日を少しでも外してしまうと、もう流星はほとんど見えないでしょう。パッとピークが来てさっと過ぎ去ってゆく、なんとも潔い流星群ですね。
Per: ペルセウス座流星群(図左下)
ちょうど夏休みの時期と重なるためか、何かと話題になることも多いのがペルセウス座流星群です(7月17日~8月24日)。ペルセウス座流星群(左下)は比較的なだらかに変化している様子が見て取れます。ピークから2~3日ずらしても、十分な数の流星が発生しています。さらに、前後1週間程度までなら、それなりの数の流星を見ることができそうです。
Gem: ふたご座流星群(図右下)
クリスマス前にやってきて、その年を締めくくってくれそうなのがふたご座流星群(12月7日~12月17日)。ペルセウス座流星群ほどではないのですが、比較的活動期間が長く、ピークの一週間前から流星が増え始めます。面白いのは、ピークになる前は流星の数が緩やかに増えていく一方で、ピークが過ぎると急激にその数が減るといった、非対称な活動傾向を見せることでしょう。
Sounthern delta-Aqua: みずがめ座デルタ南流星群(図右上)
上述の三大流星群は最も流星が発生しやすい(そして、最も流星を見やすい)流星群ですが、他の流星群はどの程度の規模なのでしょうか。ここでは、みずがめ座デルタ南流星群を取り上げました(7月12日~8月23日)。三大流星群と比べてしまうと流星数としてはとても小規模のように思えますが、それらの流星群のピークを数日前後させたあたりの出現数とおおよそ同程度であることを考えれば、決して残念に思うような数ではないでしょう。むしろ、ピーク前後20日間も活動が続くので、非常に長い間楽しめる流星群であると言えます。
おわりに
流星の観察方法
流星群は多くの流れ星が見える日、ではなく、流れ星が見えるチャンスが高い日、という程度に理解しておくとよいでしょう。イラストや漫画にあるような流星の雨として見えるということはまずありえません。周囲に灯りのない、安全を確保できる場所に寝転んで、1時間ばかりぼけっと空を眺めつづける、といった気楽な態度で挑むのがベストです。
執筆動機
ちょっと気になって集計してみたらそれぞれの流星群の特徴がはっきり表れて非常に興味深く思ったので、集計作業がただの徒労で終わらないためにもここで紹介させていただきました。実を言えば、この程度の情報はネットのどこにでも散らばっているだろうと思い調べてみたのですが、ほとんど見つかりません。テレビの報道番組などに限らず、流星群を説明するならピーク日時や流星数だけでなく、こういった活動傾向も併せて紹介するべきでしょう。
リンク
流星群について重要かつ最低限の情報はこちらを見ていただくのが手っ取り早いのでおすすめしておきます。国立天文台のサイトなので、これ以上正確かつ利便性の高いサイトは望みようがありません。